在庫削減と資金繰りの関係について

 こんにちは。 名古屋の公認会計士・税理士の池田龍矢です。

 

今年も残りあとわずかとなりました。やり残しのないように今年できることは今年中にやっておきたいですね!!

 

今回は在庫削減と資金繰りについて書きたいと思います。

 

 

●在庫300億円削減!?

 

12月20日付の日本経済新聞朝刊に日立建機株式会社が在庫を300億円削減するという記事が出ました。

すごい金額ですよね!ただ、私が着目してほしいのはこの削減金額ではありません。在庫を削減することによる効果を見てほしいと思います。

 

 

●在庫の損益、資金繰りへの影響

 

在庫は会計上資産計上され、損益計算書上は費用にならないため、資金の影響が見えづらいところです。この在庫には様々な投入したお金が含まれています。

 

在庫には仕入をした原材料のほかに、製造業であれば製造に携わった人件費、外注費用、倉庫保管費用などさまざまな費用が含まれています。会計上はあくまで売上に対応する費用のみの計上となるため、極端な話でいうと、1,000個の製品のうち、500個売れて500個在庫として残っていれば1,000個にかかった製造費用の半分が費用計上され、残り半分は在庫として資産計上されるという理屈です。

 

会計上の処理によるものが要因で、損益は黒字でもお金がないという状況が起きてしまうというわけです。

そこで資金繰りを改善する対策として、現在保有している在庫を減らすことの検討が行われています。

 

●在庫を減らすには?

 

在庫を減らす方法は大きく分けて二種類に分けられます。

 

①在庫として保有する量そのものを減らす

②製造工程を見直し、改善することで製造、保管する期間を短縮する

 

①を実行するには販売計画、仕入計画、生産計画と様々な部署と連携して検討していく必要があります。したがって、どのくらいの量にしておけば欠品がなく販売できるのかという観点と、欠品を恐れて多くの在庫を保有してしまう(資金の先行投入)観点とのバランスが求められます。

 

非常に難しい判断となりますので、このような判断をする際に管理会計を活用していきます。

 

②の見直しについては、普段関わっていない部署や経営者も一緒になっていろいろな角度から意見を出しあったりすることが必要になると思います。

 

 

●まとめ

 

今回は在庫削減と資金繰りとの関係についてご紹介しました。

改めて、日本経済新聞に掲載されるような大企業でも在庫削減がテーマになるということで、中小企業であっても在庫削減の余地があるということを認識しました。

 

今回お伝えしたかったところを箇条書きにまとめました。

 

☑在庫は資産であるとともにお金を先行して使っているものであるということ

☑在庫を必要以上に保有することは資金繰り悪化の要因になること

☑在庫管理を改善していくには管理会計を活用した分析と実際の現場での実務そのものの改善が必要になること

 

当事務所では資金繰りを改善するための管理会計の活用を提案しています!!

 

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